「いつも相手の顔色を伺っていて辛い」「人間関係がいつもうまくいかない」と悩んでいませんか?
人間関係の病とされる『共依存』が原因になっているかもしれません。
特に、親子関係や恋愛関係において、共依存という関係性に悩む人はとても多いです。
この記事では、共依存とはどういった関係性なのかをはじめとし、以下4つを中心に解説しています。
最後までお付き合いいただくことで、共依存の関係性について知ることができ、辛く苦しい共依存を克服するヒントを得ることができますよ。
共依存とは?
まず、共依存とはどういった関係性なのかについて解説します。
共依存とは、互いに必要以上に相手に依存してしまう状態のことです。
共依存には、問題を起こす人とその人を支える人が存在します。
一方は、自分自身をかえりみずに相手に尽くしてしまう人。
もう一方は、尽くしてくれる相手に依存してしまう人。
尽くす人と尽くされる人を側から見ると、お互いに折り合えていて良い関係なのでは? と思いがちですが、必要以上に依存しているため、相手がいなくなる不安を常に抱えています。
共依存の関係では、特定の相手に必要とされることで自分の存在意義を見出し、満足感や安心感を得ています。
常に相手主体の考え方をするため、「自分が犠牲になるのが当たり前」という考え方をするのも一つの特徴です。
自分を愛することが出来ず、相手から愛されることで自分の存在意義を感じるため、重症になると相手の状況や考え方をコントロールしてでも愛情を得ようとしてしまいます。
共依存という関係は、時に犯罪に発展するケースも少なくありません。
これはアメリカで実際にあった話です。
どんなに良い病院にかかって、どんなに良い薬を飲んでも一向に病気が治らない子どもがいました。
周りからは、子どもを必死に看病する母親に同情と温かい目が向けられます。
しかし、この母親は逮捕されます。
子どもの病気の原因は、子どもの食事に少量ずつ混ぜられた食器用洗剤でした。
逮捕された母親は、子どもを操作して支配するだけでなく、心配する周囲の人たちの感情を操作し『良い母親』と認めてもらうという二重の操作を行なっています。
この事件は極端な例ですが、共依存の関係では他人を操作することによって、自分は必要な人間だと認められることを望んでしまうのです。
共依存の関係は徐々に強くなる傾向があるため、相手との関係に違和感を感じたり、相手といることを辛く感じたりしたら、関係性をチェックしてみることをおすすめします。
【関係性別】共依存チェックリスト
さっそく、関係性別の共依存チェックリストで、自分と相手との関係をチェックしてみましょう。
当てはまる項目が多いほど、共依存傾向にあると言えます。
関係性に早く気づくことで改善することができるので、気楽にやってみてくださいね。
恋愛関係のチェックリスト
恋人がいるなら、以下の9つを確認してみてください。
- パートナーに認められることが何よりの生き甲斐と感じる
- 相手に嫌われたら生きていけないと感じる
- 基本的に二人で過ごす時間が多く、他者が介入することがない(密な恋愛)
- お互いに束縛している・束縛は愛情だと感じる
- パートナーは自分の助けや救いを求めていると感じる
- どんなに傷つけられてもパートナーから離れたくない
- パートナーとの結びつきが強くて、個人として生きづらい
- 自分を犠牲にしてでもパートナーとの関係を続けたい
- 趣味や興味は全てパートナーと共有している
夫婦関係のチェックリスト
夫婦関係で共依存かどうか心配なら、以下の9つを確認してください。
- パートナーの全てを把握したい
- 相手の反応が悪いとすごく不安になる(会話・LINEなど)
- どちらかが問題を抱えている場合、一方がどうにか頑張って支えないといけないと感じる
- 相手の行動や考え方をコントロールしたい
- 夫婦関係の問題がそれ以外のシーン(仕事や子育てなど)に影響する
- 夫婦間の問題をその他に絶対口外しない(相談など)
- いつも一緒にいたいと望んでいる
- パートナーの気持ちを敏感に感じ取ってしまう
- パートナーの要求や要望には何がなんでも答える
親子関係のチェックリスト
親や子供との関係について、次の9つを見直してみてください。
- 気づくといつも誰かの世話をしている
- 相手の問題も自分の問題だと感じる
- 相手の問題を自分が解決することが多い
- 自分と相手との距離感がわからない
- 自分の気持ちを犠牲にしてでも相手の都合を優先する
- 一人になると不安や孤独に襲われる
- 相手のことは自分が一番理解していると思っている
- 自分の人生よりも子どもの人生の方が大事
- 相手の希望に沿うことは、相手を大事にすることだと感じる
家族関係のチェックリスト
家族と一緒にいるときに、次の5つを感じていないかチェックしましょう。
- 家族の世話をすることに自分の存在意義を感じる
- 意識的にまたは無意識的に相手を世話できる状態に陥れて支配している
- 大事なことを自分で決められず、相手に委ねる
- 何かを与えないと愛してもらえないと感じる
- 何かを与えられたら何かを返さないといけないと思ってしまう
友達関係のチェックリスト
仲がいい友達との関係については、この5点に気を付けましょう。
- 友達の反応や応答が気になってしまう
- 自分を犠牲にしても友達を助けることが多い
- 友達に対して本音を言えない
- 助けを求められていないのに友達の問題に介入しすぎる
- 友達と一緒にいるために自分の趣味や興味を後回しにする
共依存になりやすい人が持つ10個の特徴
ここからは、共依存になりやすい人が持つ10個の特徴について解説します。
共依存チェックリストを回答してもらうとわかるのですが、恋人や夫婦・親子など、どの関係性においても共依存になりやすい人には特徴があります。
- ネガティブな感情を抱きやすい
- 自己肯定感が低い
- 自分軸を持っていない
- コミュニケーションが苦手
- 人に尽くすことが好き
- 過去に強いトラウマがある
- 自分よりも相手を優先する
- 断ることができない
- いつも誰かに頼ってしまう
- 思い込みが激しい
共依存になりやすい特徴を持っているからといって、必ずしも共依存の関係に陥るとは限りませんが、基本的に相手に依存しやすい傾向があります。
一つずつ詳しく解説しますので、自分自身に当てはまるところがないか、ぜひ確認してみてくださいね。
特徴1.ネガティブな感情を抱きやすい
ネガティブな感情を抱きやすい人は、相手がいなくなる不安や相手とうまくいかなくなってしまうことを極端に恐れてしまいます。
例えば、相手のちょっとした言葉や仕草を深読みして、悪い想像を膨らませてしまったり……。
「傷つきたくない」と常に思っているため、相手の反応がいつも気になるのです。
ネガティブに考えてしまう人は、起こっていない物事を心配するあまり、その不安を埋め合わせるために人に依存してしまいます。
特徴2.自己肯定感が低い
自己肯定感が低い人は、基本的に相手や周りの人からの評価がなければ、自分の価値を認めることができません。
「自分の存在に価値がない」と感じているため、自分を認めてくれる人に依存してしまいます。
共依存でも特に危険な関係性に陥る場合もあり、恋人からの暴力やDVなどで傷つけられても「相手は私を必要としている」と過剰に反応してしまうことも……。
また、いけない関係だとわかっていても、関係そのものが自分の存在価値となってしまうために離れられられずに苦しんでしまいます。
特徴3.自分軸を持っていない
自分軸を持っていないと、他人軸で生きるために自分の気持ちを後回しにしてしまいます。
他人軸は一見、相手の気持ちや意見を尊重するために「良い人」「優しい人」と思われますが、本質は違います。
他人軸で生きる人は、他人の評価で自分の価値を決める傾向にあり、自分視点で決めることが苦手な人がとても多いのです。
また、他人軸を優先するために人から嫌われることを極度に恐れてしまいます。
「嫌われたくない」という強い感情は、相手への依存を高めるため、共依存になりやすいと言えます。
特徴4.コミュニケーションが苦手
コミュニケーションが苦手な人は、自分の欲求や思いを言葉にすることが得意ではありませんよね。
本心とは違うことを言ってしまうことも多く、基本的に相手のペースに巻き込まれることになります。
また、コミュニケーションが上手な相手のペースに巻き込まれているうちに、知らず知らずに支配されていることも……。
コミュニケーションが苦手な人は、本人が意識していない間に共依存になってしまう可能性が高いです。
特徴5.人に尽くすことが好き
人に尽くすことが好きなことは、決して悪いことではありません。
人間関係では、尽くし尽くされということはよくありますよね。
しかし、共依存に陥る人は相手に必要か不必要かに関わらず、尽くしてしまう傾向にあります。
自分のアクションに対する相手の反応に存在価値を見出すため、いつの間にか相手を支配してしまうこともあります。
「あなたがいてくれて助かった」と「あなたがいないと生きていけない」という状況は全く異なりますよね。
尽くしすぎる人は、相手を後者のような気持ちにさせてしまう可能性が高いため、注意が必要です。
特徴6.過去に強いトラウマがある
過去に強いトラウマを抱えている場合、自分の心を抑制しているため、自己肯定感が低い傾向があります。
「ありのままの自分でいい」と思うことが難しいのです。
特に、幼少期に心が傷つく経験は、失った自尊心を取り戻そうとするので、他人に尽くし過ぎる人も少なくありません。
また、子どもの頃に無条件の愛を得られていない場合、「愛されるために努力しなくちゃいけない」と無意識に思ってしまうため、共依存関係を育みやすいと言えます。
特徴7.自分よりも相手を優先する
自分よりも相手を優先する人は、自分を犠牲にしてもいいと考えてしまうため、共依存に陥りやすいです。
大切な人の意見を尊重することは大切ですが、全てにおいて相手を優先するのでは、健全な関係性を築くことはできません。
また、自分の意見を優先することで相手に嫌われるのではないか? といった不安も同時に抱えています。
特徴8.断ることができない
断ることができない人は、相手のペースに飲まれてしまうため、共依存関係になりやすいでしょう。
「断ると相手が困ってしまう」「断ると相手が傷ついてしまう」など、相手の気持ちを優先して考えるため、断れなくなってしまうのではないですか?
しかし、人間関係では「頼んだけど断られる」ということはよくあることです。
共依存関係では、「別れたいけど別れられない」「離れたいけど離れられない」といった悩みを抱える原因になってしまいます。
特徴9.いつも誰かに頼ってしまう
いつも誰かに頼ってしまう人は、元々依存心が強い傾向にあります。
「一人では何もできない」と、自分自身を低く見積もっている人も少なくないでしょう。
常に人の力を必要と感じていると同時に、相手が離れてしまうことを必要以上に恐れています。
結果的に、相手のペースに合わせて言いなりになってしまうことで、共依存関係を築いてしまいやすいと言えます。
特徴10.思い込みが激しい
思い込みが激しい人は、特定の考え方や物事、関係にこだわりを持ちやすく、共依存になりやすいです。
例えば、「この人がいないと生きていけない」「この人には私が必要」などと思い込んでしまい、相手に支配されたり、支配したりするのです。
また、思い込みが激しい場合、白黒思考や0か100か思考など、極端な考え方をしやすい傾向にあります。
共依存になりやすいのは男性、女性どっち?
共依存は、男性が女性に依存することもあれば、女性が男性に依存することもあります。
もちろん、同性同士でも共依存は成立します。
しかし、心理学の研究では、女性はもともと他者への愛情欲求や依存性が強いという性質を持っているため、男性よりも共依存になりやすいとされています。
最近は「女性も活躍できる時代」というフレーズを聞くようになってきましたが、まだまだ女性の主張に対してネガティブな印象を持っている人も少なくありません。
女性が社会的・経済的な自立が難しかった時代では、女性が男性に依存してしまうのも仕方がない反面もありますよね。
どんなに乱暴な相手でも、生きていくために相手に従うしかなかったのです。
関係性が平等じゃない場合、離れたくても離れられないという不健康な関係を育んでしまう理由になってしまいます。
もともとの性質と社会通念が合わさって、現代においても男性に比べ、女性が共依存になってしまう可能性は高いと言えます。
共依存の関係性では幸せになれない!
共依存の関係では、本人同士は幸せに感じていることがとても多いです。
尽くされたい人と尽くしたい人で、お互い偏った感情を満たしてしまうので、当然ですよね。
しかし、特定の関係性にのみ存在価値を見出してしまう共依存の関係は、本当の意味で幸せになれないのです。
共依存では常に「相手を失いたくない」という不安がつきまといます。
その関係を守るために、自分を犠牲にし、相手の問題に真剣になったり、必要以上に尽くしてしまったりすることに夢中になります。
その結果として、共依存以外の関係性を維持することが困難になったり、仕事さえ手につかない……といった状況も生み出してしまうのです。
最終的には「続けるのも辛い」「離れるのも辛い」とどちらを選択しても苦しみが付いてくるので、幸せとは言いにくいですよね。
また、一度共依存関係を経験すると、他の相手とも共依存を繰り返す人が少なくありません。
過剰に必要とされることに慣れてしまい、普通の感覚を持った相手に物足りなさを感じてしまうためです。
結果的に、ギャンブル依存やアルコール依存などの問題を抱えた相手を引き寄せてしまうことにも繋がります。
共依存を克服する5つの方法
最後に、共依存を克服する5つの方法を解説します。
「このままではいけない」と関係性に危険を感じたら、次の方法を試してみてください。
- カウンセリングやセラピーを受ける
- ありのままの自分を受け入れる
- 自分軸を持つ
- 完璧主義をやめる
- 自分のための時間を過ごす
すべてを一度に始める必要はありません。
少しずつ日常に取り入れ、「自分自身をケアする」ことを意識しましょう。
方法1.カウンセリングやセラピーを受ける
共依存の関係を克服する方法で、一番おすすめなのがカウンセリングやセラピーを受けることです。
まずは、自分の心を整理して、「なぜそう感じてしまうのか」という原因に気づくことが大切になります。
共依存は、「相手を守りたいから」「相手がとても好きだから」といった表面的な感情は原因ではありません。
共依存になりやすい特徴や思考のクセに原因があるのです。
あなた自身の特徴や思考の癖を作っているのが潜在意識。
潜在意識とは、深層に位置する自覚できない意識のことです。
人の意識の97%を占めているとも言われており、人の本音の部分を司っています。
たとえば、共依存になりそうな人がどれだけ「共依存にはならないぞ」と表層の意識で思っても、あまり効果はありません。
なぜなら、潜在意識が共依存を望んでしまっていると、表層意識が潜在意識に引っ張られてしまうからです。
そのため、共依存にならないためには、潜在意識からの改革が必要なのです。
潜在意識は書き換えることができます。
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方法2.ありのままの自分を受け入れる
共依存では、相手に尽くすことで自分の存在意義を得ていますが、そもそも誰しも『ありのままの自分』で居ていいのです。
そのままの自分に愛される価値があると受け入れましょう。
人は基本的に以下3つの要素を持っています。
- 存在(ありのままの自分自身)
- 行動(善行や偉業など)
- 所有(お金や地位など)
この内、他人が褒めるのは基本的に「行動」と「所有」に関してのみの場合が多く、「存在」自体はあまり褒められる機会がありません。
だからこそ、自分の存在を認めてもらいたいがために、共依存という関係を生み出してしまいます。
まずは、あなた自身がありのままの自分を認めてあげることが大切なのですよ。
方法3.自分軸を持つ
他人軸で生きている人は共依存に陥りやすいです。
自分軸とは、「自分はどうしたいのか」「自分はどうありたいのか」といった考え方を持つことを言います。
「それはわがままとは違うの?」と思う方がいるかもしれませんが、そうではありません。
そもそも、自分の人生を主体的に考えるのは当たり前のことです。
「今日のランチは何が食べたいか」「週末はどこに行きたいか」など、些細なことでも自分の思いに沿って決断しているのですよ。
他人軸で生きていることに慣れてしまうと、自分で決断するという習慣を持てなくなってしまいます。
だからこそ、「自分がどうしたいのか」と聞かれてもよくわからない、といった状態になってしまうのです。
まずは、日常的な小さなことから「自分で決める」ことを意識しましょう。
そこから徐々に、自分が好きなことややりたいことなどを見つけていけばいいのです。
自分軸を持つと、相手に振り回されずに共存することができるようになるので、共依存から抜け出せるはずですよ。
方法4.完璧主義をやめる
相手のために尽くしていると、ついつい求められていることに対して完璧でなければいけないと感じてしまいます。
相手の気持ちを優先しなくちゃいけない、相手を助けなくちゃいけない、相手には自分しかいない……
「自分がなんとかしなくちゃいけない」と思い込んでしまっていませんか?
「〇〇でなくちゃいけない」という完璧主義な考え方は、あなた自身を束縛してしまいます。
また、共依存だけでなく、強迫性障害などのメンタルヘルスの問題を抱えやすくなります。
完璧主義をやめるにはまず、他人からの評価や期待に応えることをやめましょう。
他人軸に生きているから、完璧な自分を演じてしまうのです。
世の中の物事のほとんどが完璧ではありません。
「完璧が良い」というのは、勝手な思い込みに近いものなのですよ。
方法5.自分のための時間を過ごす
常に誰かのことを考え、誰かのために行動することは、心身ともに体力が必要です。
そんな状況を続けていれば、心が疲れて正常に機能しなくなってしまいます。
自分自身を労ってあげるために、自分のための時間を過ごすことを忘れないでください。
部屋で一日中ダラダラ過ごしても良いのです。
好きな音楽、好きな映画、好きな読書……。
なんでも良いので、自分のために時間を使いましょう。
自分のために時間を使うことで、自分の心の状態を知ることができます。
そして、自分が心地良い状態を知ることで、不健康な関係性を築きにくくなりますよ。
【まとめ】共依存を克服して幸せを感じられる人間関係を築こう
共依存はなりたくてなるわけではありません。
多くの場合、子どもの頃の生育過程や環境に左右されるからです。
「性格や気質は変えられない」と言いますが、自分の中にある深層の意識を変えることで、依存心は克服できますよ。
まずは、自分自身をケアすることが大切です。
ありのままの自分を受け入れ、自分軸を持つこと。
共依存の関係では、本当の意味での幸せにはなれません。
今現在、共依存の関係で幸せだと感じていたとしても、さまざまな場面で苦しんでしまうことに繋がります。
共依存は、人間関係の病と言われています。
あなた自身の潜在意識にある原因を見つけ出し、共依存の関係を克服して、本当の幸せを見つけましょう。
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