今回の記事では、神棚のお供え物に関する基本的なルールをご説明していきます。
親から神棚の管理を引き継いだ、会社の神棚の管理を任されたというときに、ルールが分からずに困っている人は、たくさんいるようです。その中でもとくに頭を悩ませるのが、神棚へのお供え物に関するルールですね。
そこで今回は、多くの人が悩む神棚のお供え物について、詳しく解説をしていきます。
あなたも神棚について悩んでいたら、ぜひ参考にしてみてください。
神棚とはどういったものか
神棚とは神道におけるもので、神様、もしくは祖先の霊を祀るための棚です。
ちなみに神道は、日本古来よりある宗教で、いわゆる八百万の神々という考え方を持っています。
そのため、神棚に祀られている神様は、土地に根付いたものや祖先の霊など、その棚によってさまざまです。
神棚を設置しておくと、そこに神様やご先祖様がやって来てくれて、家や会社を守ってくれると言われています。
イメージとしては、小さな神社を作るような感覚です。
神棚を作るということには、神様を迎え入れる場所を用意しておくという意味があるわけですね。
そのため神棚は、家庭なら大黒柱や台所の近く、会社なら社長室の近くといったように、その建物の中心となる場所に置くのが適切です。
会社に神棚を設置する際の扱い
会社に神棚を設置するときに頭を悩ませるのが、設置費用の扱いです。
どの勘定科目で処理すれば良いのか、という部分ですね。
神棚の勘定科目は、消耗品費か備品費か備品(資産)の3パターンが考えられます。
まず、神棚の購入費用+作業費の合計額が10万円未満の場合は、勘定科目を消耗品費にしておきましょう。
次に、神棚の購入費用+作業費の合計額が10万円以上の場合は、原則として勘定科目は備品(資産)となります。
ただし、一定の中小法人、個人事業者(青色に限る)の場合、神棚の購入費用+作業費の合計額が10万円~20万円の間なら、一括償却資産として3年間で償却することが可能です。
この場合は、帳簿上で備品費として全額費用計上しておいて、税務調整で3年償却とすると良いでしょう。
会社で神棚の管理を任されているという場合は、ぜひ覚えておいてください。
神棚のお供え物の基本的なルール
ここからは、神棚のお供え物について、基本的なルールを説明していきます。
- 神棚へお供えする物の重要度
- お供え物の交換時期、下げるタイミング
- お供え時の神棚への参拝方法
- 旅行などで長期不在するときの対処法
これらについて説明をしていきますので、神棚の管理を任されている場合はぜひ参考にしてください。
神棚へお供えする物の重要度
神棚へお供えするものには、それぞれ重要度に差があります。
まず、もっとも重要なのが、米と水と塩です。
これらは最低限必要なもので、毎日欠かさずお供えする必要があります。
ちなみに、米を備えるさいに洗米すべきかどうかで悩む人がいますが、とくに洗米する必要はありません。
ただ、この辺りは諸説ありますので、自分の宗派などに合わせると良いでしょう。
あと重要なのは、榊(さかき)です。
榊とはツバキ科の常緑樹で、よく神棚の左右に備えられている植物のことです。
榊については、枯らさないように注意をしましょう。
もし、どうしても枯らさないタイミングで交換するのが難しい場合は、造花を使っても大丈夫です。
ただし、放置しすぎてほこりまみれになる、ということは避けましょう。
そして次に、あるなら日本酒をお供えしてください。
いわゆるお神酒(みき)ですね。
お神酒用の瓶子がありますので、それに入れてお供えをします。
そして次が、野菜、果物、お菓子といったものです。
これらは、三方(神棚用のお盆)を使ってお供えしてください。
ただし、野菜や果物は傷みやすいものなので、無理をしてお供えする必要はありません。
傷みにくいものが手に入ったらお供えする、といった感覚がちょうど良いです。
ちなみに、お供え物を入れるお皿ですが、そこまで高級なものを用意する必要はありません。
もし適切なお皿がないようなら、100均などで買ってくると良いでしょう。
とにかく覚えておくことは、米、水、塩、がもっとも重要であるということです。
最低限この3つだけは、長期不在や喪中などの特別な場合をのぞき、絶対に切らさないようにしてください。
お供え物の交換時期、下げるタイミング
お供え物には、それぞれに適した交換時期があります。
そこでここからは、お供え物の交換時期と下げるタイミングについて説明をしていきます。
まず、もっとも重要な米、水、塩ですが、これらは1日1回、毎日取り換えるようにしてください。
次に榊と日本酒ですが、こちらは毎月1日と15日に交換してください。
つまり、月2回取り換えるということですね。
そして、その他の野菜、果物、お菓子なんかは、とくに決まった交換時期はありませんので、腐る前に下げると良いでしょう。
ちなみに、1日のうちの下げるタイミングですが、とくに決まってはいません。
中には、朝お供えして夜に下げる、というご家庭もあります。
自分の生活に合ったタイミングで交換を行うと良いでしょう。
あとは、下げたお供えの処分方法ですが、これは下げたあと、自分たちで食べるようにしてください。
これはお下がりといって、神様の霊力が備わったものを体内に取り込む、という意味があるのです。
それに食べ物ですので、粗末にしない方が良いということもあります。
そのため、お供え物は腐る前に下げる、というのが基本になっているのです。
お供え時の神棚への参拝方法
お供えをするとき、神棚への参拝を行うと思いますが、そのさいは二礼、二拍手、一礼が基本になります。
2回頭を下げて、パンパンと2回手を打って、再度頭を下げる、といった形ですね。
いわゆる神社での参拝方法と同じです。
とくに男女で作法が変わることはありませんので、家族、もしくは社員全員、この二礼、二拍手、一礼で参拝を行えば問題はありません。
ただし、出雲大社系のお札を神棚に祀っている場合は、二礼、四拍手、一礼の形になります。
少し作法が変わりますので、注意してください。
ちなみに、参拝のときに心の中で祈願や報告などを行うときは、拍手のあとに行うようにしましょう。
心の中で念じ終わったら、最後に一礼して終わる、といった形ですね。
神棚は、小さな神社のようなものです。
そのため、基本的には神社での作法を参考にすると良いでしょう。
旅行などで長期不在するときの対処法
旅行などで長期不在になり、神棚の管理ができないという場合には、神棚の扉を閉めてから出かけるようにしましょう。
まず出かける日の朝、神棚に参拝して、出かけるということを報告します。
そしてそのあと、一旦お供え物を下げて、扉をそっと閉めてください。
神様は大変心が広いので、礼を尽くせば心配はいりません。
長期不在のあと、家に帰ってきたら、なるべく早く神棚に参拝して、無事帰れたことのお礼を言ってから、お供え物をするようにしましょう。
神棚のお供え物の配置方法
ここからは、とくに頭を悩ませる神棚へのお供え物の配置方法について説明をしていきます。
- 平常時
- お正月
- 毎月1日と15日
- 喪中
この4パターンについて、お供えの並べ方や扱い方の説明をしていきますので、ぜひ参考にしてください。
神棚へお供えする配置1.平常時
まずは基本的なお供え物の配置について説明をしていきます。
基本的には、米、水、塩の3つか、そこに日本酒を足した形式ですね。
まず、米、水、塩の3種類の場合は、左から水、米、塩の並びで、横一列に配置してください。
そして、そこに日本酒を足して4種類をお供えする場合は、左から米、酒、塩、水になります。
また、三方にお供えをする場合は、米を中心にして、米の両側にお酒、1番左側に水、1番右側に塩、という並びでお供えをしてください。
お供えが終わったら、必ず水を入れている器のふたは外すか、少しずらしておくようにしましょう。
そうしないと、神様が水を飲めなくなってしまいます。
あと気にする人が多いのが塩の盛り方ですが、こちらはある程度きれいに山形にしておけば問題はありません。
以上が、平常時に神棚へお供えするときの配置です。
あと注意すべき点は、お供えする順番ですね。
実は神棚へのお供え物には、お供えする順番がきちんと決まっているのです。
- 米
- 酒
- 塩
- 水
神棚へお供えをするときは、この順番で神前に置いていくようにしましょう。
神棚へお供えする配置2.お正月
お正月には、神棚にしめ縄を設置する必要があります。
しめ縄は、神棚が置かれている家にないと神様に対して失礼にあたってしまいますので、必ず用意するようにしてください。
神棚にお正月飾りをする前には、まず掃除を行いましょう。
基本的に正月飾りは元旦前、12月13日から12月28日の間に済ませるのが良いとされています。
これは、神道において29日と31日があまり良くない日であるとされているからです。
年末年始は何かと忙しいと思いますので、掃除はできるだけ早くに行うと良いですね。
次にお供えの位置ですが、しめ縄は神棚の1番上に設置しましょう。
そして、鏡餅やそのほかの料理などをお供えする場合は、三方の上に置いて、別途お供えをしてください。
そのほかのお供え物については、平常時と同じで大丈夫です。
あとは下げるタイミングですが、しめ縄は1度設置したら、1年を通してつけっぱなしにしておくのが一般的です。
つまり、1度正月にしめ縄を付けたら、あとは正月毎に交換するという扱いですね。
鏡餅や料理については、平常時と同様、痛む前に下げて、家族や社員で食べるようにしてください。
これが、正月の神棚のお供え物のルールです。
神棚へお供えする配置3.毎月1日と15日
毎月1日と15日には、いつもより立派なお供えをするようにしましょう。
魚や野菜を三方に乗せてお供えすると良いですね。
これは、毎月1日と15日に神社では月始祭と月次祭という祭典があって、それにあやかったものです。
1日と15日だからといってほかのお供え物の配置はとくに変わりませんが、いつもより豪華なお供えをする必要がある日なのだと覚えておいてください。
また、お酒や榊を取り換えるタイミングとしても、1日と15日は適切です。
毎月1日と15日は、神棚にとって区切りの日であると覚えておきましょう。
神棚は家や会社における小さな神社とみなされていますので、そのほかの神社での祭事も知っておくと色々参考になるかもしれません。
この機会に、ぜひチェックしておいてください。
神棚へお供えする配置4.喪中
家庭内で不幸があった場合、神棚には触れないようにしてください。
これは、神道では「死=穢れ」であると考えられているからです。
もし家庭内で不幸があった場合は、一旦お供えを下げ、神棚の扉を閉めて、白い半紙を貼り付けておきましょう。
そうすることで「神棚封じ」を行うことができますので、中にいる神様に穢れが及ぶのを防ぐことができます。
「神棚封じ」をしたら、そこから50日間は一切神棚に触れてはいけません。
たとえお正月が被ったとしても、しめ縄を交換するのは50日が経って、忌中を明けてからです。
喪中は神棚に触れない、という知識はとても重要なので、覚えておいてくださいね。
【まとめ】神棚へのお供え物は心を込めて行おう
今回の記事では、神棚におけるお供え物の基本的なルールをお伝えしてきました。
神棚のお供えには色々とルールがありますので、少しでも参考にしていただければと思います。
しかし、神棚において作法よりもずっと大切なものがあります。
それが、「心」です。
神棚へお供えをするときは、「いつも守っていただいてありがとうございます」という感謝の気持ちを抱きながらするようにしてください。
感謝にはとても大きな力がありますので、心の底から感謝の気持ちを持って神棚に接すれば、その想いはきっと神様に届くはずです。
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神棚のお供えの作法はもちろん大切です。
しかし、少しくらい作法を間違えていても、感謝の気持ちが伴っていたなら、それはきっと神様に届くのではないでしょうか。
あなたもぜひ、神棚にお供えをするときは、感謝の気持ちを抱くように心がけてみてください。
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